お金(通貨)の役割は「価値の尺度」、「交換の手段」、「価値の保存」というのが経済の基本です。
物々交換だと自分がほしいモノを持っている人が自分が持っているモノを欲しがっていないと取引が成立しませんが、お金を介することによってスムーズに取引することができます。またその価値が金額という数字で明確になります。
そしてお金を貯めることによって価値を保存し、使いたいときに使うことができます。生の肉や魚、野菜であればいつまでも価値を保存することはできません。
つまりお金はそれ自体に価値があるのではなく、あくまで価値を表したり、交換したり、貯めておくための手段です。そしてお金がお金として機能する前提にあるのは信用です。1万円札はそれ自体はただの紙片ですが、皆が価値があると信用しているから1万円として機能します。その信用を担保しているのが現在であれば国家です。
但し国家の信用が下がればその通貨の価値も下がります。経済や財政が危機に瀕した国ではハイパーインフレ(急激な物価上昇)が起こってきました。物価が上昇するということは、逆に言うとお金の価値が下がるということになります。
最近はビットコインなどの仮想通貨が注目を集めています。仮想通貨に投資して大儲けしたという話も頻繁に目にするようになりました。新しくて、ハイテクで、なんだかよく分からないけどスゴそうだし儲かりそう...と思っている人も少なくないと思います。
確かにテクノロジーとしては非常に便利で今後ますます普及していくかもしれませんし、欲しがる人が増えれば需給関係によって値上がりし、さらに儲ける人もいるかもしれません。但し、仮想通貨であっても通貨である以上はそのもの自体に価値があるわけではなく、あくまで価値尺度・交換・保存の手段であり、その前提に信用がなければ成り立たないことは忘れてはいけないと思います。
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